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2007年5月25日 (金)

「つぶやき」AC提出文

AC文章教室のレポート提出最終日。朝からの雨のお陰で畑にも出られない。課題の「つぶやき」800字を、ブツブツ呟きながら一気に纏めて提出した。

「つぶやき」(提出文)

「ヤブ医者がなんと言おうが、まだ、私は千の風にはならないよ。皆と一緒にいたいよ」人に話すというより自分に言い聞かせるように呟いていたKが千の風になった。

「抗がん剤、放射線やるべきことは全てやった。これ以上は体力が限界」と、去年Kは最終宣告を受けた。医師は宣告で患者を切り捨てる。患者の長く辛い道はそのときから始まる。

逃げ場も、涙の捨て場所もない。残る道は緩和病棟しかないのか。何かあるはずだ。患者会には辛い同じ道を歩んでいる人が他にもいる。

余命告知を受けた立場から、やり場のない涙を共有できればとブログ「JBK・友の会」を立ち上げてみた。癌と闘う人がいつでも自由に覗け、匿名でコメント書き込みに参加できる。少しでも希望、癒しに繋がればという思いだった。

毎日の書き換えは大変だが、コメント書き込みも増えて四ヶ月で六百人を超えた。ペンネームでも段々、顔や悩みも分かってきた。

Kが旗振り役になってコメント有志会を開催した。顔を合わせるとつぶやきは、呟きでなくなる。「医師の性格」「ホスピスなら何処」「アメリカで新薬開発」「温泉療法・笑い療法」「リビング・ウイルの書き方」他所では考えられない情報交換から癒しの場に広がった。

だが、現実は厳しかった。セカンドオピニオンの主治医から「この数値でこんなに元気なのは、まさに奇跡だ」と言われ喜んでいたのに、体調が急変し緊急入院六日目突然、千の風になってしまった。享年五十三歳。

Kが企画した三回目のコメント会がお通やと重なった。車椅子でも参加すると言っていたKの遺志を汲んで会を強行し、そこからお通やに参列した。参列者は六百人を越えた。Kの遺志で音楽葬になり、知り合いの歌手が「千の風になって」を繰り返し歌った。

遺族の要望で弔辞に次いで篠笛を吹いた。涙で譜面がかすみ間違った。「しっかり吹いてよ。聞いているよ」Kの優しい呟きが聞こえた。

あの時吹いた篠笛は、千の風に載れただろうか。

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コメント

奇跡の人になるんだ~と 自らを元気付けながら言ってらした こころさんのことを
「つぶやき」にまとめられ さすがですね! 改めて こころさんの事を 思い出しています。 きっと どこかで覗いて読んでいる事でしょう。

投稿: ふくろう | 2007年5月25日 (金) 19時51分

今でも、こころちゃんから、会おうよって、電話が、そろそろ来るはずなのに・・・ってふと、おもう。

投稿: 藍弥生 | 2007年5月25日 (金) 23時40分

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