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2009年2月25日 (水)

「おくりびと」に寄せて(納棺師)

「おくりびと」アカデミー賞受賞に寄せて

この映画まだ観ていない。日本で始めての受賞ということでマスコミが連日大きく取り上げている。

騒ぎに巻き込まれる恰好で昔を思い起こしてしまった。

現役時代は刑事という職業柄、死体見分、検視、捜査という形で、自然死、病死以外の不自然死と対面し、数え切れない仏を「納棺師」に引き継いできた。

これまで聞きなれなかった「納棺師」と言う仕事は一般にはいわゆる葬儀屋さんの仕事であろう。

仕事柄この人たちとも顔見知りになっていまでもお付き合いが続いている方もいる。

「人の不幸が仕事。仕事がなくなる心配はない。不況知らずだ」と、その知り合いが話してくれた。

どんなに地位、権力、名誉、財産があっても自分では納棺はできない。誰でも最期この人のお世話にならなければ灰になって人生を終わることができない。

人が忌み嫌う、しかも夜昼日曜祭日なしの因果な仕事。

綺麗な仏ばかりではない。目をさすような異臭、蛆が動き回るもの、焼け爛れたもの、バラバラなもの、想像を絶する状況の中で、化粧を施し、装束を着せる。死者に対する礼を損なうような行為は許されない。

納棺師に仏を引き渡してからが刑事の仕事。納棺師から思わぬ情報が切っ掛けで捜査が大きく進展したこともあった。

「納棺師」はいわば、人生の総仕上げ人。幕引きにはなくてはならない人である。

「おくりびと」がアカデミー賞受賞を機会にもう一度正面から最期を見直してみることになった。

祭壇に飾る写真のことを考えるのもその影響。

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コメント

映画は観ていないのですが、納棺師という職業は大変ですね。
葬儀屋さんと一括りしていましたが「師」とつくにはそれなりの修行が必要なのですね。
「死に仕度」も準備しておかないと家族に迷惑がかかりますね。考えさせられました。

投稿: 梅 | 2009年2月25日 (水) 13時27分

葬儀屋さんの仕事も 見直されるようになるでしょうかね?
暫くして 少しさめたころに やっぱり映画館で観たいです。

投稿: ふくろう | 2009年2月25日 (水) 13時52分

 現役時代いろいろな葬儀屋さんと会って来ましたが、「納棺師」という呼び方は初めて耳にしました。

 「納棺師」は、それこそ異臭や異様な容姿など目を背けたくなるような遺体と接触し、丁寧な対応をする大変な仕事だと思います。

 「おくりびと」は、誰にでも訪れる最期の別れ当たって、日本伝来の儀式を世界に紹介する良い機会だと思います。

 写真は、少しでも見栄えのする今のうちに撮っておくのが良いかも!

投稿: ライス | 2009年2月25日 (水) 15時15分

 両親も含めて、多くの人たちを送ってきたけど、お棺に入った人の顔は、やはり悲しさを誘う。見てはいるが、いつも、目をそらしている。
 私の場合は、最後の顔は見せないで、元気で楽しい時の写真を見てもらうことにしようかな。
 今度の入院でヤバイ状態になったときに、女房が用意した写真が判明した。それは、一昨年かな、篠さんと則天去私兄、藍姫と私の4人が写った写真だった。みんないい顔をしている。
 これを超える写真と思うけど、元がもとだからね。あとは一つ技術力でカバーしてほしいな。よろしくお願いします。

投稿: 異風坊 | 2009年2月25日 (水) 22時23分

梅ちゃん
ガン太郎と付き合っているとつい、余計なこと考えてしまうよね。取り敢えず篠笛で吹き飛ばそうよ。
ふくろうさん
あなたはまだお若いから余計なこと考える必要はないよ。
それより篠笛を一生懸命練習してね。
ライスさん
いずれ、人間誰でも最期はおくりびとのお世話にならなければならない。
まあ写真くらいは用意しとこうかね。
異風坊さん
あの写真は飾り気なく素直でいい。
美人の写真班の希望者が2名も名乗りを上げているが、それ用と気取ってしまうよりああした自然体がいいよ。
備えあれば憂いなし。このブログを見た人は一様にそんなこと考えてしまったようだ。
悪いことをしたと思っている。

投稿: 篠笛 | 2009年2月25日 (水) 23時08分

年末の1週間以上を、この方達のお世話になりました。昼夜ない年中無休の、本当に大変なお仕事だと思いました。
旅立つ人と遺された人との、最後の大事な時間を悔いのないようサポートしてくれ、貴重な事を教えて頂いたと思っています。

投稿: 撫子 | 2009年2月25日 (水) 23時40分

動物たちの納棺師は、わたしたちがやります。目はみんな開くので、そっととじて、とめてあげます。お花やフードやタオルを入れて、あと、お手紙も、ね。
内視鏡は、どんなにおとなしい子も、全身麻酔、吸入麻酔です。かじって壊したら、あっという間に、数百万が消えていくのです。。

投稿: 藍弥生 | 2009年2月26日 (木) 01時04分

わざわざお葬式の映画を見に行きたくはないと思っていたのですが、こんな立派な賞を頂いたのですから誰が見ても感銘することでしょうね。映画館が少し空いた頃私も見に行きたいと思います。

投稿: おこわ草 | 2009年2月26日 (木) 06時43分

撫子さん
辛いことを思い出させてしまってごめんね。
ご両親千の風になって今でも撫子さんを見守っているよ。笛で話し掛けてやってね。
藍ちゃん
「動物納棺師」優しい先生に看取られた動物はキット成仏しているよ。
篠笛も吹いてやってね。
内視鏡ってそんなに高いの?
おこわくささん
お久しぶりです。
今は何処の映画館も満員のようです。少し経ってからの方がいいかもしれませんね。

投稿: 篠笛 | 2009年2月26日 (木) 08時16分

「おくりびと」、昨秋ごろに上司から「仕事をさぼってでも観に行ってこい」と命じられまして、勤務中に堂々と携帯電話を切って観に行ってきました。
とてもよかったです。映画が終わったあと、人に泣き顔を見られないようにするのに苦労しました。映画館に行かれる際は、ハンカチは必須です。

投稿: けんたろう | 2009年2月26日 (木) 13時30分

[おくりびと」もけんたろうさんの涙も、見たかったなあ。
忙しそうだね。
選挙になればモット忙しくなるよ。

投稿: 篠笛 | 2009年2月26日 (木) 19時07分

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