家で死ぬと言うこと
2月25日NHKドラマスペシャル「家で死ぬと言うこと」題名に惹かれ観てしまった。
「余命三ヶ月」と宣告された一人暮らしの老婆の生き方、終わり方。送る人送られる人の心のあり方。
娘婿が一ヶ月の休暇をとって看病に当たる。家族も必死だ。
病院を嫌いながら痛みに耐えかねて一旦は入院したものの最期は思い出の詰まった自宅で迎える。
現実はああはいかない。
このドラマを見て在宅死を選びぬいた戦友Tさんの最期を思った。
昔の日記からTさんの闘病を追ってみた。
在宅死を選んだTさん
Tさんは先生でまったく面識はなかった方。「負けてたまるか」ガンが連れてきた戦友。在宅死を選び実行した人。
Tさんには色々励まされ、教えて貰った。
篠の闘病記には欠かせない方。
在宅死を望む人は多い。
ピンコロリと逝けば問題ないが、寝たきりになって自宅で過ごすのは、一週間から10日くらいが限度、それ以上になると家族にかかる負担が多過ぎる。在宅で最期を迎えるということは思っているより大変なこと。
健康な家族(複数の)の協力なくしてできるものではない。そんなことをTさんから学んだ、
「負けてたまるか」のファン
「負けてたまるか」が出版された時各マスコミが大きく取り上げてくれた。
Tさんは多発性骨髄ガンと診断された時「負けてたまるか」を読んでくれ、私が地区センターで区の生涯学習の会で講演をしたとき、梅ちゃんと聞きにと来てくれた。
それが切っ掛けで知り合った。まさに「戦友」である。元気なうちはがん患者の会「コスモス」や「虹の会」にも顔を出していた。
講演の際習い始めの篠笛を吹いたが曲にならなかった。
彼女は「片肺で声の代わりに笛を吹こうという発想・精神がいい。その内吹けるようになりますよ」と励ましてくれた。
その後も何度かお会いする機会があった。
八幡様の寒牡丹
鎌倉の八幡様の寒牡丹を見ようと誘って梅ちゃんと3人で鎌倉に行った。
ところがその年に限ってやっていなかった。
境内を散策した後、池のほとりの茶店でお茶を飲んだ。
そのとき何曲か篠笛を吹いた。Tさんは目頭を押さえて聞いてくれた。
在宅死
Tさんは意志の強い人だった。病院で最期は迎えたくない「負けてたまるか」と、在宅死を選ばれた。最期まで自分の思いを貫き通した。
「在宅ホスピス」と簡単に口にするが、病む本人も、それより家族の心労はまた別のもの。言葉で言い尽くせない。深い愛情・真心・絆で結ばれていなければできない。
ご主人が出来た方で、部屋の全てを病人用に改良するなどあらゆるものを犠牲にしてTさんの願いを叶えてやった。なかなかできることではない。
絵手紙
彼女は絵手紙を勉強していて時々素敵な絵手紙をくれた。
彼女が寝たきりになって梅ちゃんと見舞ったときも、帰るとき「絵手紙待っているよ」と声を掛けると頷いていた。それが最期だった。
増富温泉
Tさんはラジューム含有量日本一とか言われる山梨の増富温泉にもよく足を運んでいた。
増富温泉はKちゃん、Mさんも常連だった。
篠も一時月一回3泊4日くらいの予定で通ったが、3人が相次いで千の風になってしまったのとバアチャンが体調を崩して、しばらく行っていない。
温泉の近くを流れる河原に流木で譜面台も作ってある。
体調が戻れば冷泉治療にも挑戦して見ようと思っている。
葬式の段取りも自分で
彼女は葬式・墓石など最期のことまですべて自分で段取りを決めて家族に言い残していた。残された家族はすべてその通り実現した。
一周忌
Tさんの一周忌に梅ちゃんと参列した。東急東横線K院。境内のあちこちに銀杏の実が落ちていた。
お腹を膨らませたカマキリが一匹墓石の日溜りで何処に行こうか思案していたのがなんとも印象的。
「命日は15日だが3日は結婚記念日なので和尚さんに頼んでこの日を選んだ」というご主人の挨拶で始まった。
参列者は仕事仲間のUちゃん、Tさん、Aさん、それに教え子などと親戚で、篠は異色の存在。祭壇に飾られた遺影は普段の笑顔のTさんで今にも話し掛けて来るようだった。
Tさんが可愛がっていた孫のHチャン4歳、お葬式の時はむずかっていたがすっかり成長していた。でも「死」がどんなものかは理解していなかった。Tさんが入院中見舞いに行ったのを覚えていた。
「一番好きなのは?」と問いかけると「一番好きなのはYおばあちゃんよ」と迷わず答えてくれた。この一言を是非、千の風に載せてTさんに聞かせたいと思った。
墓参り
梅チャンとお墓参りに行ったこともあったが最近はご無沙汰のまま。
体調が許せば、Kちゃん、Tさんのお墓参りに是非行きたいと思っている。ここで、改めてご冥福を祈る。
ホスピス
死は人生最後の最大事業。誰もが納得する締め括りは難しい。
最期はホスピスと決めても治療はしなくても意外に金が掛かる。治療に金を使い果たしホスピスに入る金が足りずに一般病棟で最期を迎えなくてはならなかった人もいる。
篠は、在宅介護・ゆめクリニックのT先生とQOL研究会のパネリストとしてご一緒させていただいて以来、「最期はお願いします」と予約はしてある。
JBKが叶わなかった場合、ホスピスを選ばざるをえない。
バアチャンでは一日だって無理と分かっているからだ。
何とかなるさ。果報(JBK)は寝て待て。
ドラマの主人公がトイレも自由にならなくなったとき、家族に「お家に帰りましょう」と告げられた時の嬉しそうな顔が印象的だった。
最後をあんなふうに締めくくることができたら最高だが・・・・。ドラマの中でのこと。
締めくくりはそう簡単には行かないのが現実。どうしましょう
最期と頼る
ホスピスも
入所費は高額
地獄の沙汰も金次第
意外に難しい在宅死
誰もが望む
家で死ぬ ことの
難しさを推進させる
生き方の変化と
核家族化
最近のコメント